コロナ禍(わざわい)の暗(くら)い影(かげ)に覆(おお)われた世界(せかい)を席巻(せっけん)したのは、どこまでもポップで軽快(けいかい)なBTSの「Dynamite」だった。

　破竹(はちく)の快進撃(かいしんげき)を続(つづ)けるBTSは|昨年(ねん){さくねん}、|韓国人(ひと){かんこくじん}の歌手(かしゅ)で初(はじ)めてグラミー(ぐらみー)賞にノミネートされ、|今年(ねん){ことし}5月(がつ)には「ビルボード・ミュージック・アワード」で4冠(かん)に輝(かがや)いた。先(さき)の「Dynamite」は、|昨年(ねん){さくねん}8月(がつ)の発売(はつばい)と同時(どうじ)に全米(ぜんべい)ビルボードチャートのトップを獲得(かくとく)。アジア系(けい)アーティストの楽曲(がっきょく)としては、1963年(ねん)に坂本(さかもと)九(きゅう)が「上(うえ)を向(む)いて歩(ある)こう」で1位(い)となって以来(いらい)、実(じつ)に57年(ねん)ぶりの快挙(かいきょ)である。

　米国(べいこく)在住(ざいじゅう)のライター・竹田(たけだ)ダニエル氏(し)によると、

「アメリカでもこの2～3年(ねん)で|人(ひと)気{にんき}が拡大(かくだい)しつつありましたが、『Dynamite』で爆発(ばくはつ)した感(かん)がありますね。最近(さいきん)は『The Late Late Show』や『The Tonight Show』といった歴史(れきし)あるトークショー番組(ばんぐみ)にも出演(しゅつえん)しています。番組(ばんぐみ)の終盤(しゅうばん)で披露(ひろう)するパフォーマンスも、BTSは常(つね)に手(て)の演出(えんしゅつ)を用意(ようい)している。まるでミュージックビデオのようなクオリティで、それを観(み)てファンになった人(ひと)も少(すく)なくありません。かくいう私(わたし)もその一人(ひと)です