2022年の10月に、社員が10人以上いる企業6000社に対して、厚生労働省が男女の働き方についての調査を行いました。その結果、3000社から回答があり、なんと管理職に占める女性の割合(%)が12.7%だということがわかりました。
この割合は、13年前と比べると、なんと2.5%しか増えていません!
詳しく見てみると、10〜30人の小さい企業では、管理職につく女性が約21.3%います。一方、5,000人以上いる大企業では、わずか約8.2%しかいません。管理職につく女性が多い業界は医療(53%)、サービス(24.6%)、製造業(8.2%)、公益事業(4.1%)などがあります。
厚生労働省によると、日本はG7の中で女性管理職の割合が最も低いです。 他の国と比べてみましょう。管理職に女性が最も多い国々は次のとおりです。
日本は、管理職の女性をもっと多くすることを目指しています。これにあたって、二つの目標があります。まず一つ目が、2025年までに東京証券取引所の一番大きい「プライム市場」企業に女性役員を一人以上選ぶことです。そして二つ目が、2030年までに日本の女性管理職の割合を30%以上にすることです。
現在、従業員が301人以上いる企業は、男女間のお給料の違いについての情報をオープンにしなければなりません。また、政府は従業員数が101人以上いる企業にも同じルールを作ることも検討しています。
女性管理職の少なさには、いろいろな理由があります。例えば、育児と仕事どちらもしなければいけないことが、女性に不安を与えたり、キャリアに影響してしまう可能性があります。たくさんの日本企業は、メンターシップや自由な働き方を提供することで女性をサポートをしています。
この一つの例として、「アフラック生命保険」は、来年には女性管理職の割合を30%以上にすることを目指しています。この目標に向けて、会社はマンツーマンで女性職員にアドバイスをしたり、働き方や意識の改革を進めています。
また、埼玉市にある「コープデリ生活協同組合連合会」では、全体の半分ぐらいが女性であるが、3年以内に仕事をやめてしまう女性がとても多いことで悩んでいました。これに対応して、数年前に新しいプロジェクトを始めて、女性職員どうしの交流会や、育児とキャリアアップ、どちらもできるようにサポートをしています。
コープデリ生活協同組合連合会の人事部の上村仁美氏は、
「目標の数字を明確にしたことで、みんなが課題として捉えて取り組めていることは大きいと思います。子育てなどいろいろな経験をした人が管理職になることによって相乗効果もあると思うので、引き続き組織全体で交流の場を作っていくなどバックアップをしていきたい」と述べています。
日本の女性管理職に対する今後の期待も高いですが、不安も多いでしょう。また、他の国と比べて、日本には今回の調査には含まれていない、文化的な違いがたくさんあります。
それでも、女性が家事の大半を任せられることなど、文化的な問題から解決することができます。数値をベースにした目標設定も、女性管理職が増えているかどうかを確認するための良い方法かもしれません。
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